可動間仕切りがもたらす暮らし
可動間仕切りをよく使う。大体、そういう時は、クライアントがどういう日常を送りたいか、どういう暮らしをしたいかがはっきりしており、それに対応するために部屋の方を変化させる。
一般的には、可動間仕切りを使う時は、可変することにより、どのような部屋の使われ方をしても構わないように、より曖昧で、はっきりと決められない場合である。だから、可動間仕切りを設置することは一種の設計の手抜きのような印象があるかもしれない。
しかし、きちんとクライアントの日常や暮らしを把握した上で設置する可動間仕切りは、クライアントの要望がいくつも折り重なって1つの部屋に表現されている証しであり、より濃く、より深く、限られたスペースの中で日常や暮らしを送るための手段である。