階段×洗面
階段の構造は、足をのせる段板があり、その段板を支える側板があれば最低限成り立つ。洗面の構造は、洗面器をはめ込む天板があり、その天板を支える脚があれば最低限成り立つ。
共通するのは板であり、階段の段板と洗面の天板は水平であることも共通する。
ただ、階段と洗面は、全く関係がない機能同士である。
少しでも効率よく水回りをまとめたい、それも階段下のスペースが空いているが、そこに壁をつくり部屋にしてしまうと狭くなるし、せっかくの階段の開放性が損なわれてしまう。
ならば、階段と洗面の共通点を頼りに、階段の段板が延びて洗面の天板となり、そこに洗面器を設置し、洗面周りの小物を置く場所として、同じく階段の段板が少しだけ延びて棚状になり、そこに家族分の歯ブラシなどを置くようにした。
クライアントの本来の要望はこの階段に滑り台をつくりたいだった。その要望通りに、さらに、洗面の機能を加えた、階段×洗面×滑り台が完成した。
きっと朝などは大忙しだろう、この階段×滑り台×洗面によって、より家族の営みをお互いに感じることとなり、そうしたら、朝がより家族にとって楽しめるでしょ。