日当たりが厳しい時の対処法は別々にすること
暗い家よりは明るい家の方がいいですよね、暗い家にして欲しいという要望は今までに聴いたことがないです。明るい家にして欲しいという要望もあまりないというか、「明るい家になりますか」という問いかけは何度かありました。
奥に引っ込んだような敷地で、その分静かだけれども、周りを建物に囲まれていて太陽の光が入ってこないかもしれないという心配から。
そういう時はいつも決まって「日当たりはどうにでもなります」と答える。
確かに、敷地の周りを四方建物に囲まれていて、しかも狭小地ともなれば日当たりは厳しいので、よくあるのは日当たりが欲しい部屋、例えばリビングダイニングを2階に持ってきて、日当たりがあまり関係がない部屋、例えば寝室、水回りなどを1階に持ってくるというもの。
ただ、1階はせっかく外の庭などの外部空間と内部空間を連続させることにより広く感じさせることができるので、狭小地に建つ家ならば、尚更、1階にリビングダイニングを持ってきて広く感じさせたいだろう。
そこで、日当たりが厳しい時の対処法は、太陽の光を入れることと部屋を明るくすることを別々に行えばよい。
狭小地で周りを建物に囲まれていたら、太陽の光が1階まで差し込む時間は、季節にもよりますが、1日のうちで多くても3時間くらい、これでは太陽からの直接光だけで1階を明るくするのは不可能です。ただ、2階だと1日中太陽からの直接光で部屋を明るくすることができます。
だから、そういう時は階段を利用して、1階の部屋を明るくする。階段を1階から2階までの吹き抜けだと考え、階段室という部屋に見立てて、2階から太陽の直接光を階段室に放り込み、階段室の中を光が反射し拡散して、1階の部屋まで太陽の光を届ける。
その際、階段室と1階の部屋との境の壁は必ず半透明の壁にして、光を通すことが必要になる。これによって、昼間は半透明の壁が光っているようにも見えて、部屋を明るくする。2階からは1日中太陽の光が階段室に供給されので、1階の部屋も1日中明るくすることができ、入ってくる火は間接光になるので、熱をほとんど1階の部屋には伝えないから、夏などは明るくても暑くはならない。