精度が上がること

窓は面白い存在だなといつも思う。建築の仕事の場では窓とはいわずに「開口部」という。窓を開口部というとプロっぽい。「開口部」だから、開いている部分ということになり、建築の設計においては窓の機能以上のことを負わせる。

光を入れる、風の出し入れは窓の機能ですぐに思い付くことで、それ以外にも熱の交換、光も入れるだけでなく、光の演出も、これは結構重要だと思っており、設計を志したキッカケでもあり、その他にも開口部をどのようにつくるかによって、窓とは感じさせない、壁の一部として取り扱うこともできるし、その開口部の納まりも枠なしに、ガラスだけとか、そうすると、ガラスが無いように見せることができたり、開口部を見るとその設計者の技量がわかる。

今、窓は、開口部は、専門的にいうと、都内だと防火設備の規定があり、防火設備とは隣家に近いと火に強くしないといくけないという法律で決まっており、鉄製だと自作ができるが、アルミ製だと簡単にいうと自作ができない、でも世の中、アルミ製がほとんどであり、それはメーカーが既製品として安価につくりやすいから、ただ、設計者として設計と共につくりたい開口部があるのに、アルミ製では少数ロットではつくれないし、防火設備として認定するのは難しいし、鉄製のサッシでは高価だし。

建築を実務ではじめた頃、不思議だった、建築基準法ではアルミは鉄ではない、世の中の窓はほとんどがアルミ製なのに、無理矢理、建築基準法に合わせるためにアルミ製のために許認可を求めている、ならば、いっそのことアルミを鉄と同等に扱えばいいのに、利権が絡むのだろう。

そのようなことはどうでも良いが、設計者としては窓の、開口部の、創作を自由にしたい、設計者に全責任を負わせてもいいから、開口部を自由に自作したい。

ここにきて、面白いもので、鉄製で自由にサッシを自作できる機会を得ている。もし上手くいけば、今後つくる建築の精度が上がる、今一番ワクワクすることは、つくることの精度が上がること。

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