土壌蓄熱式輻射暖房システム「サーマ・スラブ」
東京のデザイン工務店 仲村建築店の『わたしの居場所』をつくり出すフライハウスのオプションの暖房システム「サーマ・スラブ」です。
■サーマ・スラブのメカニズム
寒さ・暑さを感じるしくみの解明が、サーマ・スラブTMの「さわやかなぬくもり」を生みました
サーマ・スラブTMは、建物の地下部分にヒーターパネルを埋設し、夜間電力を利用して地中に熱を伝えます。すると地中の熱が大きな蓄熱層を形成し、床面を通して24時間の放射(輻射)を続けます。
この放射熱により室内の壁、天井、テーブルなどの固体表面温度が維持されて人体にとって快適な環境を創り出します。ここで重要なことは、「人体を温めるのではなく、周囲を温める」ということです。
暖房概念の違い
サーマ・スラブTMのしくみを聞いた多くの方からは、こんなご質問をいただきます。
「身体をあたためない暖房なんて、あたたかいわけがない」
「土をあたためても、熱はどんどん逃げてしまうから、無駄だ」
しかし、「暑さ・寒さを感じるしくみ」と「地中での熱移動のしくみ」を解明した結果、これまで「非常識」だと思われていたことが「常識」になったのです。 こちらのコーナーで正しい温度の概念をご理解ください。より自然な温熱環境を創り出す暖房設備としてのサーマ・スラブTMが、ずっと身近になってきます。
「寒いから身体を温めなくちゃ」の非常識
暑さ・寒さを感じるしくみ(熱感)のメカニズム
実は人間は、ご飯を食べて発熱する発熱体です。そして、常に外部に熱を発散して、体温を一定に保っています。
食事→ 代謝(=発熱)→ 放熱 を繰り返しています。
冬でも夏でも、人体は周囲に熱を放出しながら体温を37℃弱に保っています。つまり生理的には、人体は熱を体外に放出するようにできており、外から熱をもらうということは健康のメカニズムとしてはあまり良くありません。
壁、天井などの周囲の固体温度が低すぎると、人体からの熱放射量が過大となって「寒く」感じます(=冬)。
逆に、周囲の固体温度が高すぎると体内に熱がこもった状態となり、感覚として「暑く」感じます(=夏)。
つまり熱放出の「多い/少ない」が、「寒い/暑い」の熱感になります。そして適度に熱を放出している状態の時に「寒くも暑くもない」快適な感覚になります。
では、人体が適度に熱を出して「快適」と感じる環境とはどのようなものでしょう?
春や秋のさわやかな季節を思い出してください。
ちょうど良い環境として、周囲固体温22℃、室温20℃、湿度40%~60%がひとつのめやすです。このとき人は「暑くもなく寒くもないさわやかなぬくもり」を感じています。
太陽の放射熱に代わる地中からの放射熱(遠赤外線)で、冬の間も「寒さ知らず」の快適な生活を満喫してください。
これまでの暖房設備では、家の天井や壁や家具の全てを継続して適度に温めるには大変なコストがかかりました。そのため、局所的に高温になる暖房に頼らざるをえませんでした。
しかし、土壌蓄熱の原理の発見により、家全体を低コストで適度に温めることが可能になりました。四季の気温変化と同じメカニズムを使って、冬の間も春や秋のさわやかさに保つことができるようになったのです。
地中での熱移動のしくみを上手に利用 土壌蓄熱のメカニズム
サーマ・スラブTMのヒーターパネルにより地中に与えられた熱は、地中側と地表側(床面側)の双方に広がります。
しかし、地中側に進む熱は、深度2m程度でもともと地球の持つ地熱温度(15~18℃)とほぼ等しくなり、それ以上はほとんど進まずに地表面近くに熱溜りとしてとどまります。
そして、ためられた熱は温度差の大きい地表側から室内に向かって放射され続けます。(*熱は温度勾配の大きな方=温度差の大きな方へと移動します)
このように、自然物理の働きによって地中に蓄熱層が形成されることに、今まで誰も気がつきませんでした。
誰でも簡単にコストゼロで建物の地下部分に巨大な蓄熱層が持てるのです。別の言い方をすれば「暖かい土地の上に家が立つ」ことになります。
こうして、サーマ・スラブTMは、冬の間の地面をあたたかく保つことが可能になり、家中の大気をさわやかなぬくもりで満たします。
「サーマ・スラブ」について、
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